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「面白南極料理人」西村淳(新潮文庫)

極寒の地とはどういうところなのか?

近くにスーパーもコンビニもないところ、1年間を南極で自分を含めて8人に料理を振る舞うためには、かなりの食料をストックする必要がある。忘れ物があったらどうしよう。

自分が同じ立場になったことを考えると、不安に陥り、恐怖感しか残らなくなってしまう。

研究や研究員のサポートで南極に行く人たちには本当に頭の下がる思いである。

南極で研究した成果が特許や実際の商品に役立っていることは想像に難くない。それが表だとすると、この本はその成果が生まれる裏面を書いたものである。

あらかじめ1年分の食料を買い込むとどうしても忘れ物がある。忘れたら1年間をその食材なしで料理を作らなくてはいけない。一番近くの昭和基地だって1000kmも離れたところにあり、そう簡単に取りに行くこともできない。難題を創意工夫で乗り切る。

もちろん料理以外でも生活していく中で過酷な場所に置かれていることもあり、8人の仲間がいさかいもなく過ごすことなんてあり得ない。文章では重たく書かないようにしているのが見えるが、かなりいろいろあったことが想像できる。

次々発生する問題をチームワークで難局(南極?)を乗り越えていく姿を見て感動してしまうのである。