予想通りに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 ダン・アリエリー(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

完全に合理的な人はいるのだろうか?
すべて正しい判断をする人はいるのだろうか?

著者は行動経済学を研究している大学の教授。行動経済学の研究の道に進んだのは18歳の時の大ケガがきっかけだった。大ケガの回復までに数年かかり、退院後に入った大学の講義からとのこと。

行動経済学とはウィキペディアによると経済学の研究手法で、心理学や社会学の成果を経済学の数学に取り入れることで従来の経済学の枠組みを広げている。

不合理な選択を行う場面を研究内容とともに紹介している。例えば、雑誌(エコノミスト)の購入画面の選択肢からそれぞれの項目の相対性に着目して人間の判断が選択肢そのものを元に選んでしまっていること気付く。
本来であれば、自分の必要なものから選択することが合理的であるのに、選択肢によって自分にとって必要無いものを選択してしまう。

さらには自分自らウェイターとなってビールを提供し、一つの事実に対して知識と経験のどちらが先に来ることで先の行動に影響が発生するのか調査を行っている。

また、無料の魔力をアマゾンの配送料の設定から解説し、先延ばしの仕方を大学の授業の課題締め切りの設定から解説している。
これらを読み進めていくと人間の判断の合理性を疑うことが多くなる。より低きに流れていくことがわかる。

この本を読み進めていくと自分の生活を見直ししてみたくなる。
自分も頭の中ではわかっていてもどうしても行動が伴わないことがある。これが行動経済学なのだろうか?