まどいのよそじ(小坂俊史)

 先日会社を休んだときに「新婚よそじのメシ事情」を読んでそのままこっちに突入してしまった。電子書籍というのはすぐに次の本を読みたくなったとき、Amazonのページで購入したらすぐKindleにダウンロードされ読み始めることができる。これが、普通の書籍だと読み終わった後に同じ著者の本を買おうとしても、書店まで行かないと購入できない。しかし、電子書籍でも欠点もあって、すぐ購入して読み始められるが故に歯止めがきかなくなってしまう。

 

 この本は40歳の主人公が織りなすそれぞれの物語。これくらいの年齢となると、仕事も継続しているとベテランに近づいてきて、若手の指導なども任されていたりすることもある。家庭だと結婚していると子供も小学校、中学校になっている頃。酸いも甘いもかみ分けるぐらいの年頃になる。

 40歳ともなると不惑とも呼ばれ、惑うこともなくなるはずだけれども主人公は大なり小なりのイベントを抱えて、これまでの人生で決めてきたルール、環境を考えたときに、本当にその決断をして良いのか惑って行くことになる。

 40歳という年齢、今の安定した環境、残された今後の人生を材料にしながら、主人公は最終的に決断をする。この本の根底をなしているのは、その深い決断とその結果だと思う。

 それは、占い修行だったり、コスプレだったりするのだけれども、自分が違う道を選んでいたときにどのような人生になっていたのかも考えさせられる。

 

 「新婚よそじのメシ事情」もそうだけどこのような本に惹かれてしまうのは、自分が40代に近づいたからとしかいえない。やはり同じ環境の人がどのような状況なのか、どんな決断をするのかが気になってくる。そう不惑と言われながらもやっぱり悩んで惑いながら生きているのだ。