寄席でライブの面白さを知る

 再び浅草演芸ホールに行ってきた。今回で3度目の寄席。2年前から単身赴任をして最初に東京観光的な意味合いを込めていったのが、新宿末広亭の寄席だった。

 昼の部は、正午前から夕方まで開催されていて、見てみたけど演者が老人ばかりで声が聞き取りにくく、あまり面白くなった。それで興味をなくしてしまい、ずっと寄席自体から離れていた。

 今年に入ってから大学時代の友人たちと浅草で遊んだ際に浅草演芸ホールに行ってみた。これが結構面白くて味を占めてしまい、今回一人で丸々昼の部を堪能した。

 20人もの芸人さんが入れ替わり立ち代わり芸を披露していく。一人15分程度だが、時間オーバーしそうになりながらなんとか時間内に収めていく。

 演目も落語が大部分を占めているが、ちょこちょこ大道芸や漫才、講談をいれて飽きないようにしている。

 

 落語には3つの面白さがあると思う。

  • 落語家の話の巧みさ

 特に年季の入った落語家は間合いを図りながら、話を進めていく。客との間合い、言葉の間を詰めながら話を進める。

 

  •  小道具を使った演技

 小道具を使うのがうまい。扇子を使って、そばをすすったり、ドアをノックをしたり。また、手拭いは財布になったり、紙幣になったり。落語の世界に入ってしまうと自然なものに見えてしまう。

 

  • 「まくら」の面白さ

 季節の話から巧みに落語へ入っていく。まだ、3回くらいしか言ったことが無いせいか、落語の話になると思っていたらまくらだけで終わってしまったこともあった。けれどもこの導入部分がうまくできているとすっと落語の世界に没入することができる。

 

 落語以外でもコント、大道芸など面白いものがいくつもあって、前回行ったときは5時間ずっと聞き入ってしまった。

 寄席の面白さは落語を聞くだけではなく、見ること、感じることも含めて同じ場所にいるライブ感を味わうことが醍醐味だといえる。これは音楽でも同じで、ヘッドホンやスピーカーから聞くものと実際ライブに行って感じるのとは全然違うものだ。

 転勤がやっと決定したが、転勤先には寄席がないのでもう一度くらい行って、雰囲気を感じてきたいと思う。