認知革命について(サピエンス全史より)

 「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)を読書中です。数年前に「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)を読んで、人類の壮大な歴史に感動し、ずっとジャレド・ダイアモンドの本を読み続けています。今回の本もサピエンスと書かれてはいますが、ほぼ人類と考えて良いと思います。

 そのサピエンスが拡大していった大きな要因として認知革命に言及しています。認知革命というのはそれまでは「実物」しか信じていなかったサピエンスが、例えば国、会社、宗教など「虚構」のものを信じるようになったこと。「実物」というのはサピエンスが対応してきた木々などの自然、動物を言います。それらは生き残るために必要な食べ物を獲得するために必要なものでした。今日ではスタンダードになりすぎて逆に想像しづらいですが、「虚構」というのは国、会社、宗教などは実物が無いものになります。例えば、会社などは人という面から見ると従業員が存在します、製品を製造しているのであれば工場があります。しかし、会社という実体はどこにもありません。見えないものです。実体はないのに自治体などで申請を行うだけで法人(会社)を設立することができてしまいます。

 この虚構を認知できるようになったのが大きな革命だと本書では述べています。これによって、他人と協力しえあるようになり、大きな組織を編成できるようになりました。単独行動をしているほかのライバルたちを蹴落としていったことになります。

 ここからは自分の意見ですが、その認知革命は今でも進化していると思います。今までは実体を元にした差別がありました。例えば、人種問題。白人が黒人やアジア人を見た目で差別する。これは肌の色という実体を見て差別をしていました。ほかには性別があります。性別に関しては、差別以外の問題があります。LGBTとまとめられてしまいましたが、セクシャルマイノリティの中でも見た目の性別と心の中の性別が違う人たちが居てその人たちにも光が当てられるようになりました。人種が違っていても、性別が違っていても、実物とは切り離して中身で接していくことも認知革命だと思います。

 本の方はまだまだ続いていきますが、最初の段階でも面白すぎます。これからも楽しみです。