森博嗣が凄すぎる

/*宮崎へ日帰り出張。10月中旬なのに真夏の暑さ。南国感がハンパない!*/

 

 森博嗣が凄すぎる。

 「すべてがEになる」を読んだが頭が良すぎる。すべての作品において執筆ペースを自分で決め、ペースを守り、ものすごい速度で仕事を終わらせて行く。しかも、大学の先生が職業であり、作家が副業である。

 それだけでなく、週末には妻とお出かけ、買い物もしており、他にも趣味を持っていて趣味にも手を抜いていない、やって無いのは家事と子育てくらいなものだ。

 このエッセイは、超人的な人間の私生活をのぞき見出来るだけでもお金を払う価値がある。

 しかもプロデュース力の為せる技かも知れないが、もともとはホームページで公開していたものをそのまま本にしているのだけど、付加価値としてマンガを付けてホームページを見ていた人にも買わせるように誘導している。(もっともこの付加価値は編集側の目論見かもしれないが。)

 この日記は1998年にホームページ上で公開されたものだが、この時点でまだまだインターネット自体が認知されたばかりで、今に比べても全然メジャーでは無かった。まだ、ダイアルアップで自宅から接続するのもかなりの電話代が必要だったはず。自分も大学時代に初めてインターネットに出会い、ちょっとずつ学んでいったくらいの頃だ。

 この本ではなかなか時事的な情報が載ることが少ないが、特に12月25日の日記には珍しくニュース番組の取材に答えるという時事的な話が載っている。ここでは「インターネットを通じて青酸カリを送った人がいる」ということをテレビ局の人が言っているが、この一連の流れだけでもこのときのテレビ局の人のインターネットに関する認識の低さが理解できる。

 本当に頭が良い人と仕事をする事が多いけどホトホト頭の良さに感服してしまう。文章が論理的な場合に理系と文系の差という一言で終わらせてしまう人がいるが、ここまでくるとそんな差では説明できない。読者への説得力、言葉遊びなど、なんでそんなことを思いつくのか頭の中を開いてみてみたくなる。(本当は見てみたとしても他の人と対して変わらないだろうけどね…)

 エッセイは何のことはない日常の生活を描いているが、文章の軽快さを持ちつつもいくつかの最低限の決め事があるように見える。人の悪口を書かない、仕事を持ち込まない、暗くなることを書かないなど。

 頭の良さと言うものがどんなものか知るためにも是非一度読んで見てほしい。

 けど、本を買ってまでと思う人はホームページでも日記を毎日アップしているので、そちらでも良いと思う。