梅干し

弁当に入った梅干しが好きだ。
白いご飯に赤い梅干し。
炊きたての熱々のご飯で、冷蔵庫から取り出されたキンキンに冷えた梅干しを弁当箱に詰める。
ウチの弁当はおかずとご飯が分かれていて、ご飯側には白い白米と梅干しと決まっている。
昼になるとご飯が冷めてぬるくなり、同じく梅干しもぬるくなる。
弁当を開いて最初はおかずでご飯を食べ進める。ごはんの中間地点に梅干しが配置されていて、すこし変化を感じたいときに梅干しを口に入れる。
最初は箸で梅肉をはがす。はがした塊を箸で口に投入する。
酸っぱさとほんのりとした甘みが口にあふれる。その中にご飯を投入する。今度はご飯が海となり、梅干しは泳ぐ魚になる。この泳いでいる感触、口全体に広がる酸味が好きだ。
しばらく泳ぐとどこかに消えてしまう。それが2~3回繰り返される。
箸ではがせなくなるとすべてを口に入れる。口の中で梅肉を引きはがし、種を外に出す。そしてご飯を口の中に入れ最後の味を楽しむ。それでおしまい。
梅干しを楽しんだ後は残りのご飯をおかずで詰め込む。ほんのり残った酸味を味わいながら、食べる。