休日出勤の憂鬱

 1ヶ月ぶりの休日出勤だった。

 作業場所は特急で30分ほどの位置にある。いつも乗り慣れている車両ではなく比較的古い車両だった。車窓は細かいキズだらけで太陽の光が鈍く映る。座席は古びていて、薄汚れている。快晴で雲ひとつないのが、休日出勤の憂鬱さを倍加させていた。その憂鬱な30分を読書に当てた。

 お客様先のパソコンでOSのアップデートと設定変更を行う。同じような作業は10年前から行っている慣れた作業である。コントロールパネルを開いて、設定をし、反映されたか確認を行う。setup.exeを実行し、アップデートを行う。10台以上の端末に3人で流れ作業をしていく。いつもなら1時間程度の作業だが、今回は作業量が多い。もしかしたら夜までかかるかもしれない雰囲気だった。

 お昼は作業メンバーと中華料理屋へ。何回か行っているが、前から気になっていた刀削麺を注文した。メニュー表では辛い刀削麺を推していたが、辛いのは嫌なのであんかけ版を注文した。

 なかなか来ない。午後も作業があるのでジリジリ待っていたが、30分たってやっと他のメンバーの料理が到着。自分のはまだ来なく、さらに5分ほど待たされた。美味しそうではあったが、見るからに熱く、量も多い。箸で麺を引き上げ、酸欠になるくらい息を吹きかけても、口に入れたら熱かった。もちろん舌をやけどして、ずっとヒリヒリする痛みが収まらなかった。これで辛いのを頼んだらもっと大きな惨事になっていたに違いない。

 作業は特にトラブルなく終わったが、結局17時ころまでかかってしまった。帰宅途中は舌のやけどが気になり、口の中を動かしていた。自分の顔を見たらおかしな人と思っただろう。